対比法とその物語
黒澤映画の野良犬を見てきた
30近くにもなって白黒映画を見てキャッキャしてるような人間になってはならないぞ!
野良犬見てて思ったのが、パロディ説明に終始した物語とか解説漫画とか流行らないかなぁと。最後のシーンとか、完全にメタルギアだし映画ブラックスワンとか今敏の影響を受けているわけだ。その今敏は千年女優では紀子3部作における小津安二郎(原節子)の影響を受けているわけで。もっと言えば千年女優とかはパロディの集合体としての価値があったりする。
基本的に無から有を想像するのは物凄く難しい事で、何かの有からさらに優れた有を想像するのは難しいが無からよりは簡単なイメージ。
そんな感じで、誰かネタを拾い続けつつ広げるような漫画とか物語が欲しい。
最近はパクリだなんだと煩いが、盗用はまずいがいいじゃん。映画なんてパクリの集合体みたいなもんだよ。
君の名は、もイルマーレみたいなもんだし更に古くから入れ替わりなんて死ぬほどあるよ。むしろ訴訟されちゃったシリーズみたいなを上げてくのもいい。
黒澤明の用心棒→荒野の用心棒とかアサイラム社は完全に訴えられたら死ぬからな。
野良犬の話に戻ろうかと。
まだまだ映画の見方が足りないと感じる。作られている背景に対し、私自身の理解力不足が嘆かわしい。知識量と映画の楽しさは比例していくし、年代ごとの楽しみ方っていうのが間違いなくあって20代の若者が見る野良犬と80を超える戦争経験者の野良犬は多分見方や再現性が大きく異なるはず。そこら辺を加味してもまだ面白いのは素晴らしい。
淡路恵子の演技も素晴らしいし、アレで初主演かと思う演技力がある。それをやらせる黒澤明も育成力の高さがあるんだろうけど、そもそもこんな若い頃の三船敏郎を撮影している時点で人を見抜くという力一点に置いても天才的。
卓越したカメラ構成は本多猪四郎の撮影監督としての技量の高さでもあるんだろうけど、カメラ一つ、シークエンスの一つ取っても印象に残る撮り方。これ、原理的に説明できればもっとカッコいいんだけどとても映画に対する知識量が不足している。
何でまだゴジラが作られているのか。それを考えると野良犬の凄さが分かりやすい。素人に説明するなら七人の侍を撮った監督と撮影監督してるのがゴジラの監督。主演は世界の三船敏郎。三船美佳の父親なんだが、その三船美佳はなぁ…うん…
あくまで私的な感想だけど、パクられているという表現もどうかと思うがAKIRAっぽい印象を受けた。各種いろんな所からパロディ・オマージュにされてるけれども、圧倒的オリジナルはやはり色褪せない。切り取られて上手に改変されていてもオリジナルはオリジナルの良さがある。決してパロディ・オマージュが良くない訳でもないし、むしろ作品の核の部分さえオリジナリティがあれば後は見せ方の問題で良し悪しが決まると思う。
温故知新じゃないけど、たまには古い映画も良いぞ。